いかなる相場操縦も遅かれ早かれ操縦者のもくろみは市場メカニズムによって完全に打ち砕かれる。
アベノミクスによる円安誘導相場も、市場メカニズムによって打ち砕かれる局面を迎えている。
現在のドル/円相場は、ファンダメンタルズもシーズナル・サイクルも反映していない。
市場の非流動性リスクが円高を促しているのである。ニューヨーク大学の教授が指摘する「驚きが発生した時に、
株式や特に債券の再評価は急激で劇的になりうる。
同じ混雑した取引に捕まった全てのひとは、われ先に出口へと向かう必要がでる。
これまでと反対方向への群れる行動が発生する」という、行動ファイナンス理論だ。
マクロ流動性と市場の非流動性との組み合わせによる人為的相場の崩壊局面と言ってもよいだろう。
日本にとっては災難の円高・株安だが、投機筋によっては相場操縦崩れの相場は短期間で収益を上げることのできる絶好の収益機会である。